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心房粗動アブレーション中に心肺停止(VF)になった体験談|心電図の画像あり

アブレーション手術中に心肺停止(心室細動)になった体験談|心電図の画像あり
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私の心臓で頻繁に起こっている不整脈の種類の多くは、頻脈性不整脈といって脈が速くなる不整脈です。

入院中の私は、常に心電図を測っていて、そのデータはリアルタイムでナースステーションに飛ばされています。

循環器内科は多分どこも一緒かと思います。

私の場合は、頻脈(ひんみゃく)のなかでも心房粗動と心房細動が寝ている時に多く出るらしく、そのまま放置しておくと高い確率で心臓に血栓ができる原因になるそうです。

血栓は血の塊のことで、心臓の中にできると、それがかさぶたのようになり、その血栓が剥がれた時に、その塊が血管を伝わって血管の中を流れていきます。

血管が詰まる場所によって病名が変わり、私のように心臓の血管で詰まると、心筋梗塞。

脳へで詰まると脳梗塞になってしまいます。

それを防ぐためには、ワーファリン系の血液をサラサラにする抗凝固剤をずっと飲み続けなくてはいけないです。

抗凝固剤を飲まずに血栓を防ぐには、心房粗動や心房細動を発症しなくするしかありません。

そこで先生からの提案で、頻脈の原因になっている心房細動と心房粗動の根治を目指す、『高周波カテーテルアブレーション』という方法の手術をする事を決めました。

アブレーション治療が心房細動などを根治することができる唯一の方法との説明を受けました。

 
先生方の計画では、最初に心房粗動のアブレーション治療をして、もう少し身体(心臓?)が元気になってから、退院した後に心房細動の根治に取りかかる事になっていました。

そんな矢先に、私の心臓は最初のアブレーション治療を自力で完走できない事例が発生してしまいまったのです。

その事の顛末を、素人の私が画像も含めて説明したいと思います。

目次

アブレーション中に心肺停止になり2度目の蘇生処置を受ける

アブレーション中に心肺停止になり2度目の蘇生処置を受ける

手術当日、時間どおりに呼ばれ車イスで看護師さんに押されて、カテーテル室へ向かった。

このカテーテル室へは、大動脈内バルーンパンピング術以来の入室になります。

それは、カテーテルアブレーションの手術も終わりに近づいた時に、突然起きた出来事でした。

結論を先にいうと、入院(人生)2度目の致死性不整脈(心室細動)が発症してしまったのです。

この手術は、局部麻酔だったので、心肺停止になる寸前まで、ほぼすべての記憶がありました。

現場には、研修医さん?と思われる方が何人もいたので、人数は多かったです。

手術中、顔は布で覆われていましたが、たまに話しかけられれば答えるなど、特に変わったこともなく手術はたんたんと進んでいるように思いました。

私はこの手術が上手くいくよう願っているだけでした。

先生方の会話は常に聞こえていたので、話の内容からして順調に進んでいるんだろうなと理解りていました。

時間的な感覚がほぼなく、先生か看護師さんに何かを話しかけられたとき、話の流れで「もうどれくらい(手術してから)経ちました?」と聞いたのですが、看護師さんからの答えは「2時間20分」。

予定では、2時間と聞いていたので、少しだけ伸びてるな思っていました。

先生方から、「順調だよ」「もうちょっとだから頑張って」等の励ましの声が聞こえていてきました。

心肺停止は突然に

心肺停止は突然に

「長いこと頑張りましたね。これで最後です。」

先生から、そう伝えられ、予定より長くかかった手術もようやく終わると一安心したその時の出来事でした。

ここで記憶が少し飛び、眠った記憶は無かったのですが、目が覚めたときは周りの先生方が驚いた感じでした。

隣を無理やり見てみると、大きなAED(自動体外式除細動器)を持った先生がいたのです。

周りの先生方が右往左往の大騒ぎだったとは想像するに難くありません。

目が覚めた後、先生に痛いところや変わった事はないかと何度も聞かれましたが、全然違和感も感じること無く会話も普通にできていました。

心室細動になったときの心電図の画像データ

心室細動になったときの心電図の画像データ

心房粗動のアブレーション手術の画像と一緒に、心室細動になったときの心電図の画像もいただけました。

それを見ると、心室細動になった様子がよくわかります。

心臓が痙攣するとはこのことなんですね。

医学的な見地はまったくありません。

しかし、突然乱れだすのがわかります。

そして、次第にその乱れが激しくなっていきました。

私がリアルに体験した心室細動発生時の様子2

素人が思うことは凄い波形という感想しかありません。

心室細動が発生したため様子をみるため集中治療室へ逆戻り

心室細動が発生したため様子をみるため集中治療室へ逆戻り

手術が終わり、致死性不整脈を発症したことにより、またICUで経過をみることになってしまいました。

ICUの看護師さんが迎えに来てくれるそうです。

看護師さんたちを待っている間、担当していただいた先生と会話をして心室細動になった経緯を聞きました。

最後のアブレーションで回路を焼き切った丁度その時に、心室細動が発症したそうです。

とてもレアなケースだと言われました。

アブレーション手術との因果関係は、分からないそうです。

暫く待っていると、見慣れたICUの看護師さん数人が迎えに来てくれ、「久しぶり~」と明るく挨拶してくれたのが、何故かとても嬉しかったです。

移動用のストレッチャーに乗り換えて、ICUに戻ると、案の定、重篤患者さん用のナースステーション目の前の立派な設備が整っている個室でした。

同時に、相方にも連絡がいっていたらしく、会社を早退して駆けつけくれました。

こういう手術の場合、家族が待機しなければいけないのですが、私の実家は遠く、相方はどうしても外せない仕事だったので誰も病院には来ていませんでした。

何かあった場合、すぐに経過を報告する意味もあるらしく、できるだけ待機してほしいと再度お願いされました。

正直、私も家族も手術を軽く見ていたようです。

当然、手術前に承諾書にもサインもし、先生の話にも十分納得した上での手術ですので誰も恨むことはないですし、むしろ命を助けていただいて感謝しています。

これを読んでいる皆様も、身内やご本人が簡単な手術と思っても過信は禁物です。
盲腸や出産でも多少のリスクはあるのですから。

心臓カテーテルアブレーション治療の経過報告

心臓カテーテルアブレーション治療の経過報告
香川県立中央病院

相方が来て、改めて先生から今回のアブレーション治療の術後報告がありました。

根治するかは、これからの経過をみなければいけないですが、今のところ心房粗動のアブレーション手術自体は成功だったそうです。

心房粗動アブレーション治療の実際の3D画像

心房粗動アブレーション治療の実際の3D画像

アブレーションをした場所の画像をもらいました。

赤い点々が焼灼する(した)場所です。

見てもいまいちよくわからないですが、記録として残しておきます。

 ↓心房粗動アブレーション治療はこんな感じです。

心房粗動アブレーションの仕組み

通常の心房粗動は右心房と右心室の間にある三尖弁を興奮が旋回するリエントリー性不整脈です(図-a)。

この興奮は1分間に約300回も旋回し、この興奮が心室へ伝わる比が2:1であれば心拍数が約150回、3:1であれば100回の心拍数となり動悸などの症状が出現します。

治療は三尖弁の弁輪から下大静脈までの解剖学的峡部と言われる部分を線上に焼灼する事で根治が可能です(図-b)。

北海道循環器病院(リンク切れ)

心房粗動アブレーション前と後の心電図

心房粗動 アブレーション前

心房粗動アブレーション前の心電図

心房粗動 アブレーション後

心房粗動アブレーション後の心電図


違いがおわかり頂けますか?

退出時の心電図

手術後退出時の心電図

説明の最後には、「二度目の致死性不整脈(心室細動)なので、ペースメーカーを付けないと退院させることは出来ない。」とハッキリいわれました。

入院当初の1度目の心室細動が発症したときも、ICD(植込み型除細動器)を付けたほうが良いと言われてましたが、そんな大ごとな事かと思い、頑なに拒否していた。

今回は流石に「前向きに検討します。」と答えましたが、心の中ではその答えはひとつしか思いつきませんでした。

久しぶりのICUで記憶テストと確信した質問攻め

久しぶりのICUで記憶テストと確信した質問攻め

久々のICUは、重篤患者専用の完全個室でナースステーションの目の前でした。

きっかけがきっかけなので予想はできていました。

相変わらず、看護師の方々は手際よく仕事されていた。

時々、あれ?どうしたの?とおそらく知っているのにおどけて挨拶もしてくれました。

身体には、頭が痛くなるとか熱が出たりとかはなく、以前とまったく変わったところは感じませんでしたが、以前心室細動を発症した後と同じように「この病院の名前は?」「今日は何日?」「何曜日?」のような質問を多くされた。

やはりこれは、記憶テストじゃないのかと思っていた予感は確信にかわりつつあったのでした。

結局、ICUには2日間いて、何事も変化は無かったようなので一般病棟へ無事戻る事になったのです。

今回も、私の命を助けて頂いた病院関係者の皆様には感謝しかありません。

前回同様、これ以上の安全な場所が思いつかないような場所で、心室細動が発症したことは本当に運がよかったです。

重ね重ね感謝しかありません。

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