前回の記事でお伝えした通り、カテーテルアブレーション治療を提案され、承諾しました。
同時に、退院のためのリハビリも並行して行っていて、いよいよ歩行訓練も始まったのです。
酸素もウロガード(尿道カテーテルの先)も点滴も付けたまま、理学療法士(心リハ指導士)さんと一緒に棟内を歩く。
最初の頃は、点滴スタンドのコロコロを杖代わりにして100メートル。
100メートルでも結構辛い…。
そして、一般病棟に移ってからは、検査での移動は車椅子になりました。
ウロガードを脇に置いて酸素もうしろに積んでいて、見た目は重病感が満載なので、廊下ではみんな避けてくれる…。
割と迷惑な移動です…。
血栓があると、カテーテルアブレーション治療はできないとのことで、徹底的な検査が始まりました。
この記事では、アブレーション治療の前におこなった、徹底的な検査の模様をお伝えしたいと思います。
アブレーション治療前のCTスキャンと経食道心臓エコー検査検査
アブレーション手術の3日ほど前に造影剤を用いたCTスキャンの撮影をしました。
手術の前々日には、胸部レントゲン、心電図、心エコーとお馴染みの検査の他に、経食道心エコー検査(経食道心臓超音波検査:TEE)という初めての検査もすることになった。
数日前の先生から経食道心臓エコー検査の説明で、こんなことを聞かれたのです。
経食道心エコー検査って結構苦しいよ。
胃カメラ飲んだ事ある?
私「大昔、二十歳位の頃に1度あります。」
じゃあ大丈夫だね。昔の胃カメラよりは苦しくないから。
という不安を倍増させてくれる会話があったのです。
というのも当時、『逆流性食道炎』のような症状になった時に、病院で胃カメラ検査をしたのですが、それはとてもとても苦しく、ずっと嘔吐いてオエオエが止まらなかった記憶が蘇ったからです。
経食道心臓エコー検査とは?
胃カメラと同様、先端に超音波探触子を取り付けた細い管を飲み込んで頂き、体の中から心臓を検査する方法です。
群馬県立心臓血管センター(リンク切れ)
食道は、心臓のすぐ後ろ側を走っているため、食道から心臓を検査することによって鮮明な画像が得られます。そのため、経胸壁心エコー図検査では肋骨や肺・脂肪などにより描出が困難な場合や心臓の最も奥に位置する左心房という部屋を観察するのにとても有用な検査です。
(一応、同意書がいる検査なので事前にサインしました。)
とても苦しかった経食道心臓エコー検査
生理機能検査室へ、車いすで運んでもらい検査がスタート。
横になり、検査技師の方にドロッとした液体の麻酔薬を喉の奥に含んだままにして5分待つように指示される。
部屋の中を目で追っていると、検査技師さんが鞭ような黒くて太い物体のビニールカバーを外している。(上の画像のようなもの)
もしかしてあれを喉から入れるの??(昔の胃カメラより全然太いし…。)と不安に思っているところに先生が登場。
液体の麻酔薬を吐き出し、さらに舌の上にスプレーの麻酔を吹きかけられました。
そして部屋が暗くなり、いよいよ鞭ような黒くて太い物体が喉から挿入される。
案の定、オエオエと、えずきが止まらない…。
背中をさすってくれている看護師さんが「大丈夫ですよ。ゆっくり呼吸して。」と慰めてくれる。
検査自体は、10分もかからずに終わったのですが、
先生がモニタを見ながら「モヤモヤしたところがあるなあ…。」と独り言のように呟き他の先生を呼びに行ったのでした。
”モヤモヤエコー”という不安材料
しばらく不安で待っていると、もう一人の先生を連れてきて、「モヤモヤしてるかもね。」と二人の先生が同意していた。
「もやもやって血栓ですか?」
検査が終わり、口の中が麻酔が効いてて呂律が回らなかったが、不安でしょうがなったので聞いてみました。
一概には言えないです。
異常が無くても現れる場合もあります。
私、「アブレーションは中止ですか?」
血栓があると一旦中止ですね。
それが剥がれて脳に行くのが怖いので…。
少し時間を下さい。
色々検討してみます。
先生からこう伝えられ、ますます不安になりました。
病室へ戻り、気になっていた”もやもや”をスマホでググってみたのです。
答えは、驚くほどすぐにわかった。
どうやら『もやもやエコー』の事らしくて、業界ではメジャーな言い方らしいこともわかった。
もやもやエコー〈smoke like echo〉
心腔内で煙、ないし粒状エコーが緩徐な渦巻き運動をしながら、浮遊する様子が観察されることがある。
これをもやもやエコーと呼び、血栓の形成傾向を示す重要な所見である。
頻度的には心房細動や僧帽弁狭窄症の拡大した左房内にみられることが多い。
左房内もやもやエコーのエコー強度は弱いため、経胸壁心エコー図法では認めにくいが、超音波の減衰がない経食道心エコー図法では高頻度に観察される。
このエコー源は赤血球の凝集や連銭形成によるものと考えられており、血流のうっ滞を表すものである。
左房内もやもやエコーは、僧帽弁狭窄がなくても経食道心エコー図法で観察すれば心房細動例のほとんどで観察される。もやもやエコーを認める心房細動例ではヘマトクリット値やフィブリノゲン値が高値の場合が多く、凝固、線溶系との関係も報告されている。
また若年健常者においても徐脈例では左室内にもやもやエコーが観察されることがあり、さらに病的な血液のうっ滞のない健常例においても観察される。
左室内のもやもやエコーは左室内での血液のうっ滞を表し、心筋梗塞や拡張型心筋症などの収縮機能が著しく低下し駆出分画が低下した例で認められる。
トーアエイヨー
上記で説明している意味はなんとなくしか理解していませんが、血栓の一歩手前の『血流のうっ滞』がもやもやとエコーに写っているってことでしょうか?
夜に先生が来て、こう伝えられたのです。
他の検査結果などもみて検討した結果、明日のアブレーションは予定どおりで大丈夫です。
その時は、翌日のアブレーションで、あんな事になるとは夢にも思っていなかったのです。
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